姫路城のレポのつづき


■35km~40km(25:05)
502 508 502 503 453

サイクルロードの少し手前(28kmくらい?)から、
薄っすらと攣りの前兆っぽい感覚が出始めていた。
とは言え、30km近く走って来て、
「少し疲労が出て来たか?」
程度にしか思って無かった。

35kmのマットを踏んでから、その感覚が一気に主張しはじめ、
程なくして一発目の余波(攣りかけ3秒前)がやって来た。

とりあえずペースを落として、ギリギリ走れる所を探る。
元々「キロ5になっても慌てるな」と言ってた区間。
塩タブを摂ったり、顔や腕の汗をなめたりして応急措置を繰り返す。

秋の連戦での経験から、とっさの攣りにも落ち着いて対処できたが、
ぶっちゃけそんなスキルにはお世話になりたくないものである(笑)

ペースダウンしたせいで、一度抜いたランナー達に抜き返される。
悔しいけど、目で背中を追うしかできなかった。
でも、その中から何人かのランナーと地味にデットヒートを繰り広げる事になる。


ピンクのTシャツを着た彼は、何故かタスキをかけて走っていた。
足音をずっと背中で感じていて、36km過ぎに抜かれた。
しかし、彼もしんどいみたいで、失速した所を僕が捉える・・・
そんなやりとりがしばらく続いた。

ヒヨコの帽子を被った二人組みも居た。
サブ3.5を切るペースでのランデブーって凄くない?
彼らとも抜きつ抜かれつを繰り返して、最後まで競り合った。


そして、38km地点。
「38km」と書かれた表札の真横で、


ぐわぁ(゚Д゚)


騙し騙し走ってたけど、遂に右ハムが完全に攣った。
涙目で大減速・・・最早ここまでか!?


と、その先でたまたまブラスバンドの応援があった。
そして、たまたまブルーハーツのリンダリンダが流れていた。


苦し紛れで、大声で歌った。

 
「くっそーっ!」と叫ぶ代わりに、大声でリンダリンダを歌った。






ちょっと復活したwwww


いやー、音楽のチカラって凄いわ(笑)
そして計ったかの如く、ココからは待ちに待った下り基調のはじまり。。。

攣りそうになりながらも、ギリギリの所で踏ん張って
それでもやっぱ攣って、ギャー!って叫んではドードー
これを最後まで何度も何度も繰り返した。
もう、傍目とかお構いなしに、必死のパッチでもがきながら進んだ。


■40km~GOAL(10:52)

風景が市街地に変わり、あと1kmの表札も超え、やがてお城が見えてきた。
正門をくぐり、昨日みたFinishラインが見える。
電光掲示板は、丁度3時間22分から23分に変わったところだった。
攣りとの戦いに必死で、タイムの事をすっかり忘れてた事に気付く。

スグにはゴールさせて貰えず、記念写真的にFinishラインから姫路城がバックに写るよう
ぐるーっと公園内を1周させられる。
最後は全力疾走!・・・とは行かず、攣りと格闘したままの流れで、
ギリギリ23分台でゴールに雪崩れ込んだ。

3時間23分54秒(グロス)

コースに一礼して、チップ外し、完走メダル、完走タオル、アミノバリューと言った一連の完走グッズを頂く。
その足で、更衣室に向って歩いていると、35kmからデットヒートを繰り広げたピンクのTシャツ&タスキの彼が前を歩いていた。

「良い刺激になりました!」とお声がけしたら、
「こちらこそ・・・」と、ここまでは普通。
この後、少し目を赤くしながら彼は話はじめた。

肩にかけていたタスキを手にとって、

「友達が病気で・・・このタスキ作ってくれたんです。
 絶対ベスト出してね!
 って、ベッドの上からアップデートで応援してくれてるんです。
 ブルーのシート踏む度に力が入って・・・」







( ;∀;)イイハナシダナー


彼は一人でなく、病気で入院中の友達と一緒に戦っていた。

このレースの一番しんどい所でデッドヒートを繰り広げてたんだもん、
彼がどれだけ必死で、死に物狂いで走ってたのは、恐らく僕が一番知っている。

その頑張りの裏に、こんなエピソードがあったとは・・・。
涙なしでは居られませんでした。

貰い泣きしながら、
「ベストは出ましたか?」
って聞いたら
「はい!」
との回答。
その答えを聞いて、
「おめでとうございます!!!!」
と言いながらガッチリ握手して、彼とはお別れした。